巾着自体、小学校の友達が北海道土産にくれたもの。
巾着、千円、ポチ袋と、Aの当時の宝物三点セットをいっぺんになくしてしまい、
そりゃあもうパニクったそう。
とにかく、自分が歩いた道をくまなく探し歩いた。しかし、みつからない。
気がつくと、遅い時間になっていた。そういうとき、タイミング悪く雨とか降ってくる。
巾着は布製で、もし見つかったとしても、三点セットはぐちゃぐちゃになってしまっているだろう。
Aは泣きながら家に帰った。
家に帰る道すがら、交番の前を友人は通った
家に帰る道すがら、交番の前を通った。
傘も差さずに遅い時間、とぼとぼ歩いている小学生に、交番のお巡りさんが気づいて声をかけてきた。
「どうしたの?」
腰をかがめて聞いてくるお巡りさんに、Aは感極まって号泣した。
お巡りさんは交番に彼女を入れて座らせ、タオルを貸してくれ、お茶をごちそうになった。
泣きやんだAにもう一度理由を聞いてくるお巡りさん。彼女は切れ切れに、宝物であるきんちゃくを
なくしてしまったことを告げた。
お巡りさんはそれを聞くと、どんな巾着かと聞いてきた。どうしてそこまで聞いてくるのかと思いつつ、
彼女は「キタキツネの巾着」と答えた。そしたら、お巡りさんは満面の笑みをAにむけた。
小学校に入る前だから昭和36年頃か、道端で10円拾ったので交番に届けた。「偉いなあボク!」と頭を撫でられて鉛筆を一本貰った思い出がある。
昔々のことです。私は電車に乗っていた時にカバンを拾いました。自分の降車駅の駅事務所に届けました。「わかりました。ありがとうございます。」と受け取ってそれだけ。名前も連絡先も何もしともんされませんでした。当然カバンの中身を確認することもなく。もし、現金が入っていたら?落とし主が現れなかったら?私には何の権利もなかったのか?駅員のポケットに入って終わりか?鉄道会社の収入になるのか?すっきりしない思い出です。それ以来駅に届けることはありません。降車してから交番に届けるようにしています。