財布を拾った友人は「交番に届けた方が確実」と言う。しぶしぶそれにつきあった・・・
落とし物を拾ったらどうしますか?
その場に置いておきますか?近くのお店に預けますか?それとも、警察に届けますか?
今回紹介するのは、ネットで話題になった「落とし物」にまつわるほっこりするお話です。
ぜひご覧ください。
友人が財布を拾った
以前、友人Aと歩いていたときに、Aが財布を拾った。
中身は5千円ほどだったけど、カードなども入っていた。
財布を拾った場所の近くに交番などが無かったので、私はAに、
「近くの店とかに預ければいいじゃん」と言ったのだが、Aは「交番に届けた方が確実」と言った。
Aの言い分が正しいと私も分かってはいたので、しぶしぶそれにつきあった。
交番に行きがてら、友人は小さい頃の話をしてきた。
友人の小さい頃の話
Aの家は、割と貧乏だった。そして、親戚づきあいもあまりなく、お年玉をもらったことがなかった。
毎年、冬休みがあけて周りの友人が「いくらお年玉をもらった」という話でもりあがっているのを、
彼女は悔しい思いで聞いていたらしい。
しかし、小学校5年になって、Aは初めてお年玉をもらった。
「Aちゃんももう高学年だもんね」
母親はそう言って、お年玉をくれた。中身は千円。
周りの友達に比べて額は少なかったが、実はAがあこがれていたのはお年玉をいれるポチ袋。
年末に文房具屋さんなどに行くとかわいいものがけっこう売ってて、
スヌーピーやキティちゃんなどのキャラクターのポチ袋が欲しかったらしい。
で、母親が入れてくれたのは、Aがその当時大好きだったケロケロケロッピのポチ袋だった。
Aはうれしくて、財布代わりの小さい巾着に、千円とポチ袋を入れてランドセルにひっかけた。
お金を使うことなく、ずっとお守り代わりのようにそれを持ち歩いていたそうだ。
しかし、ある日その巾着をなくしてしまった。
小学校に入る前だから昭和36年頃か、道端で10円拾ったので交番に届けた。「偉いなあボク!」と頭を撫でられて鉛筆を一本貰った思い出がある。